
その日の空気を読む
練りの塩水は、その日の気温と湿度に合わせて毎朝調整。同じ日はひとつとしてないから、職人の経験と感覚が欠かせません。


1754年に書かれた『日本山海名物図会』には、三輪そうめんと並んで阿波(徳島)のそうめんが名産として紹介されています。半田そうめんの起源には諸説ありますが、吉野川のほとり・小野地区で、家族の自給用や副業として作られたのが始まりといわれています。
四国山地から吹き下ろす冷たい風と、吉野川の澄んだ水。そうめん作りに適したこの土地で、半田の手延べは今も受け継がれています。

半田そうめんの一番の特徴は、太めのめんと強いコシ。太さで分類する日本農林規格(JAS)では「ひやむぎ」にあたる太さですが、江戸時代から続く伝統と地域性が認められ、特別に「そうめん」と表記することが許されています。
ルーツとされる三輪そうめんも、途中の淡路そうめんも細いのに、なぜ半田だけ太くなったのか。一説には、吉野川の船頭さんたちが、売るためではなく自分たちで食べるために、手間をかけず腹持ちよく作ったからだといわれています。
機械だけでは、この食感は生まれません。半田の手延べを支えているのは、毎日めんと向き合う職人の手と目です。

練りの塩水は、その日の気温と湿度に合わせて毎朝調整。同じ日はひとつとしてないから、職人の経験と感覚が欠かせません。

一気に細くせず、熟成と延ばしを何度も重ねて、二日がかりでゆっくり仕上げます。だからコシが強く、ゆでてものびにくいめんになります。

乾燥の前に竹の箸を差し入れ、めんを一本一本さばく「箸入れ」。機械にはまかせられない、手延べならではの仕事です。

この道31年以上の職人が、生地の手ざわりやめんの張りを確かめながら、毎日の仕上がりを見守っています。
八千代麺業の工場は、四国で2番目に高い剣山のふもと、徳島県美馬郡つるぎ町半田にあります。澄んだ空気と水、山から吹き下ろす風の中で、毎日めんを延ばしています。
練ってから乾燥・結束まで、およそ二日。機械まかせにせず、その日の気温や湿度を見ながら、職人が少しずつ延ばしていきます。













手延べの「箸入れ」作業の体験や、工場でしか味わえない「幻の生そうめん」の試食、乾麺との食べ比べができます。親子での参加も大歓迎です。
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